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片頭痛の原因となる可能性がある口腔内細菌

世界中の何百万人もの人々が片頭痛に悩まされている。その症状には口腔内の細菌が関連している可能性がある。(写真:Piotr Marcinski/Shutterstock)
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火. 15 11月 2016

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アメリカ、カリフォルニア州ラホーヤ:頭痛、特に片頭痛は、世界中の何百万人もの人々の健康とQOLに影響を及ぼしている一般的な疾患である。最新の研究では、片頭痛に悩まされる人々はそうでない人々に比べて硝酸塩を変化させる能力を備えた口腔内微生物が多いことが明らかになった。

この研究では、口腔内細菌サンプル172と腸管内細菌サンプル1,996の塩基配列を調査し、細菌種の量が片頭痛患者と非片頭痛患者では異なることを発見した。口腔内細菌サンプルをさらに解析したところ、硝酸塩、亜硝酸塩および一酸化窒素関連酵素を司る遺伝子が片頭痛患者のほうが多いことが示された。

硝酸塩を含有する化合物は、頭痛発症のトリガーとして特定されている。この化合物は加工肉や緑葉野菜などの食品、また特定の医薬品にもみられる。口腔細菌は硝酸塩を亜硝酸塩に還元し、亜硝酸塩が血液中を循環するときに、一定の条件下で一酸化窒素に変換される。

研究者らは、口腔内の硝酸還元細菌と片頭痛との間に関連がある可能性を示唆してはいるものの、これらの細菌が片頭痛の原因や結果、または何か他の方法で間接的に関係しているかを検証するには、今後も調査が必要であると述べている。

片頭痛研究財団(Migraine Research Foundation)によれば、世界では約10億人もの人々(米国のみでは3,800万人)が片頭痛に悩まされており、片頭痛は世界で3番目に有病率の高い疾患とされている。しかし、片頭痛患者全体の過半数はこれまでに診断を受けたことがなく、圧倒的多数は医療的ケアを望んでいないことがわかっている。

この研究は、「American Gut Project Cohortにおいて片頭痛は口腔内の高レベルの硝酸、亜硝酸、一酸化窒素還元微生物と相関している(Migraines are correlated with higher levels of nitrate-, nitrite-, and nitric oxide-reducing oral microbes in the American Gut Project Cohort)」というタイトルで、アメリカ微生物学会が発行するオープンアクセスジャーナル「mSystems」にオンラインで10月18日に掲載された。この研究は、カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部で実施された。

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