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スペインのバルセロナで5月26日から29日に開催されたMIS国際会議で、Dental Tribune Onlineは、イスラエルのエルサレムにあるヘブライ大学ハダサー歯科医学校歯周治療学部の学部長Lior Shapira教授からお話を伺う機会をいただきました。このインタビューではShapira教授から、現代インプラント歯科学に関する見解と、この分野を方向づける開発の状況についてお話を聞くことができました。
Dental Tribune Online:教授、この10年間でインプラント歯科学における最も重要な進化と改革は何であったと思われますか?
Lior Shapira教授:過去数年間のインプラント歯科学の進化には、機械加工から粗面加工への変更や、ストレートからテーパーへの変更などがありましたが、あまり重要なものはありませんでした。しかし、Per-Ingvar Brånemark教授によりオッセオインテグレーションの概念とともに紹介された同じチタン製インプラント体は、原則的に今でも使用されています。V3インプラントシステムの新たな三角歯頸の登場により、MIS Implants Technologies社は小さいながらも重要な進化を引き起こそうとしています。このV-概念の新たなデザインは、インプラントの周りに軟組織ばかりでなく血液や骨基質を集める空間を作りだすため、生物学的に安全です。こうした変更は、時間とともに細胞組織を安定させる可能性があります。
しかし本当の改革は、アナログ歯科技術からデジタル歯科技術への変化であり、臨床診療に大きな影響を与えると考えています。印象採得から骨再生に至るまで、デジタル技術によって治療を容易にし、早めることができるようになりました。これが患者にとっては最も重要なことなのです。患者のためにさらに快適さと成果を追求した結果、ますますデジタル歯科技術に移行しています。
Dental Tribune Online:このような歯科技術の変化は、将来広く普及していくと思われますか?
Lior Shapira教授:画期的なインプラントが開発されるかどうか予知することはできませんが、たとえば生物由来物質や3Dプリンタは重要性を増していくと思います。また、歯科学が生物工学を検証する最初の分野の1つになると考えています。心臓よりも人工的な歯や顎を作る方が容易です。
Dental Tribune Online:世界中でのインプラントの埋入本数は、この5年間で倍になると考えられています。それに対して歯科界はどのように備えたら良いのでしょうか?
Lior Shapira教授:極めて重要な要素は、教育だと思います。たとえば、大学における専門課程や、この会議のように。私が研修医であった25年前、インプラント学はカリキュラムにありませんでした。今でも、学部生に対し実用的なインプラント学を教えている歯学部は、世界でもそれほど多くありません。しかし、当大学では2年前にMISとともにあるプロジェクトを立ち上げました。プロジェクトでは、学部生が卒業の前年度に理論的かつ実用的な歯科インプラント学の訓練が受けられるように、MISが教育プログラムを支援しています。そのため、卒業年度には、指導者が付いたうえでインプラント手術を自ら実践できるようになります。
Dental Tribune Online:インプラント周囲炎は歯科インプラント学における重要な問題です。この問題にどのように対処すべきでしょうか?
Lior Shapira教授:ええ、それが重要な争点だと考えています。インプラント埋入後3年から5年で、20-30%の患者がインプラント周囲炎を発症しているという研究結果があります。危険因子に関しては、説明しきれないぐらい多くのインプラント周囲炎の症例があります。喫煙者や糖尿病患者などの特定集団には、炎症発生の危険が増加するということはわかっていますが、遺伝的関係に関してはまだよくわかっていません。
現在は通常、インプラント周囲炎を歯周炎と同じように扱おうとしていますが、インプラント周囲の炎症は天然歯周囲の炎症と同じではありません。歯周炎の治療をインプラント周囲炎に適用しても効果は限定的です。したがって、新たな手段が当然必要となります。
さらに言えば、歯科業界と協力し合ってインプラント周囲炎を予防する何かを見つけ出す必要があります。これは市場を大きく変えるものであり、MISは、B+インプラント表面加工という正しいやり方で歩んでいると考えています。オッセオインテグレーションを強化すると証明されたB+が、インプラント周囲炎にも抵抗力があるかどうか、現在試験をしているところです。
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